自然素材の家を後悔しないためのポイントをプロが解説
最近、「自然素材の家」への注目が高まっています。
しかし、漠然とした印象はあっても、その魅力や注意点まで知らない方もいるかもしれません。
そこで、今回は「自然素材の家」の魅力から、後悔しないために知っておくべきポイントについてお話しします。
おすすめの材料も紹介しますので、住まいの材料にこだわりたい方は、ぜひ参考にしてください。
●自然素材の家は一般的な住まいとは特性が異なるため、注意点などについても事前に十分知っておきましょう。
●私たち“フォレストブレス”が、1934年創業以来木材会社として培った知識と経験を活かし、自然素材にこだわった“あなただけの住まいづくり”をお手伝いします。
Contents
“自然素材の家”の魅力とは?
みなさんは、「自然素材の家」と聞くとどのようなイメージを持ちますか?
自然にやさしい、温かみがある、そんな印象を持つ方が多いでしょう。
しかし、「自然素材の家」の魅力は、それだけではありません。
● 人に優しく健康的
1970〜1980年代に世界中で問題となった「シックハウス症候群」の原因は、ホルムアルデヒドをはじめとした建築材料に含まれる揮発性化学物質です。
頭痛や吐き気、めまいなどを引き起こし、特に小さいお子さんの場合は少量でもその影響は計り知れません。
最近は、F☆☆☆☆などホルムアルデヒドの発散濃度が低いことを公的に証明する規格があるため、以前ほどシックハウス症候群の発生リスクは高くありませんが、最近は「化学物質過敏症」を発症する方も増えています。
化学物質過敏症は、内装材だけが原因ではないので、完全に治すためには専門家の知識が必要ですが、自然素材にこだわることも改善の糸口とされています。
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● 調湿効果がある
無垢材や漆喰などは、空気中の湿気を吸収・放出する調湿機能を持ちます。
そのため、季節や天候によってそれらが働くことで、心地よい空気環境を整えることができるのです。
また、湿度を安定させることで、カビなどの発生も抑制できます。
● リラックス効果がある
天然木材から漂う香りを嗅ぐと、なんとなく癒されると感じる方もいるでしょう。
実は、これには科学的根拠があります。
木の香り成分に含まれる「フィトンチッド」によって、血圧や脈拍が安定したり、ストレスホルモン(コルチゾール)濃度が減少することが分かっているのです。(参考:森林・林業学習館)
● 温もりが感じられる
無垢材や漆喰などの自然素材は、決して人が作り出せないナチュラルな風合いを持ち、シンプルながらも自然が生み出す色やテクスチャーは、家の雰囲気に“温かみ”をプラスしてくれます。
また、人工素材と比べても固すぎず柔らかすぎない特性を持つため、素手・素足で触れると、独特な温もりを感じるでしょう。
そのため、味わい深い趣のある家にしたい方にも、自然素材は人気です。
● 愛着があり長持ちする家になる
ビニールクロスは傷がつけば張り替えるしかありませんし、薄い表面材を貼り合わせたフローリング材は、湿気で剥がれたり紫外線で劣化してしまうこともあります。
しかし、漆喰は傷や汚れを補修したり、上から塗り替えることもできます。
また、一本の無垢材から切り出された無垢フローリング材は、表面が肌分かれすることがありませんし、研磨などで補修することもできます。
つまり、長くお手入れをしながらずっと付き合い続けることができるのです。
● サスティナブルで環境に優しい
自然素材は製造過程で使用するエネルギー量が少なく、廃棄後にリサイクルできるものも少なくありません。
また、森林大国である日本においては、国産木材を使うことで、森林が循環して活性化につながります。
つまり、自然素材を使えば使うほど、サスティナブル(持続可能性)が高まるということです。
(引用:林野庁|我が国の森林循環とSDGs)
“自然素材の家”を建てる前に知っておくべき6つのポイント
魅力の多い「自然素材の家」ですが、一般的な住宅とは異なる点があるのも事実です。
そのため、残念ながら、詳しく知らずに建ててから「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまう方もゼロではありません。
そこで、ここでは建てる前に知っておくべき大切なポイントを紹介します。
● 建築費用は少し高め
工場で大量生産された人工的な材料と異なり、自然素材の中には原料の特性に合わせて人の手によって作り上げなくてはいけないものあります。
また、無垢材を使えば、林業者・製材所・メーカー・木材問屋・材木店など様々な会社が関わります。
その分、どうしても材料コストが高くなってしまうのです。
そして、自然素材を施工するには熟練した技術や知識が必要ですし、決して効率よく作業が進むとは限りません。
そのため、どうしても材料コスト・施工コストがかかってしまいます。
ただし、施工会社によってはコストの差を縮められる可能性もあります。
● 変形・変色・割れ・歪みが起こりやすい
無垢材は湿度や温度によって反りなどの変形や割れ、歪みを起こします。
また、紫外線に長時間当たれば日焼けによって変色することは防げません。
ムラのない仕上がりを求める方は、少々気になってしまうでしょう。
しかし、これら変形や変色を“味わい”と捉える方がいることも事実です。
木材の中には、使っていくうちに飴色に変色して光沢が増すものもあります。
人生を共に過ごすマイホームだからこそ、経年変化を歴史の1ページとして捉えてみてください。
そうすれば、きっと変形や変色も楽しめるはずです。
● メンテナンスは人ぞれぞれ
インターネットなどで無垢材をはじめとした自然素材は「メンテナンスが大変」という情報を見かけるでしょう。
ただし、ここで知っておかなくてはいけないのが、“どこまでメンテナンスに手をかけるかは人それぞれ”という点。
無垢フローリングなどは、他の床材と同様に掃除機で掃除をし、月一度ほど硬く絞った雑巾掛けをする程度でも十分なのです。
人によっては、蜜蝋ワックスなどを定期的に塗る方もいますが、それが必須という訳ではありません。
また、外壁に木材を使う場合も、基本的には何も特別なことをする必要がないものも多数あります。
つまり、メンテナンスをどこまでするかはその方の考え方次第なのです。
経年変化とうまく付き合うことができれば、自然素材の家こそメンテナンスフリーにすることもできます。
「お手入れを楽にしたい」という理由で人工素材を選ぶ方も多いですが、今一度自然素材を検討してみる価値はあるはずです。
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● 工期が長め
漆喰や珪藻土などの塗り壁材は、ビニールクロスのように広い面積を素早く施工することはできません。
また、無垢フローリング材も一枚一枚丁寧に貼る必要があります。
このように、自然素材の家を仕上げるためには、時間がかかるのです。
施工技術によって出来栄えに差が出やすい点も、自然素材ならではのポイントとなります。
一般的な材料と取り扱い方が異なるため、施工実績の多い会社へ相談することが成功の秘訣です。
● アレルギー症状が出る人も
先ほどもお話しした通り、自然素材はシックハウス症候群や化学物質過敏症の発症リスクを抑えるメリットがあります。
そのため、自然素材の家ではアレルギーが起こらないと思われがちです。
しかし、ここで気をつけなくてはいけないのが、自然素材を使っても、アレルギー反応を起こす方がいるということ。
無垢フローリング材や天然塗料であっても、化学物質を含んでいるものもあります。
まれに木材(スギ・ヒノキ・ナラなど)やコルク、漆喰、植物繊維などに対して健康被害を訴える方もいますので、アレルギー体質の方の場合は肌に触れる内装材について、施工前にじっくり検討しましょう。
● 火事には弱くない
自然素材、特に木材は「燃えやすい」というイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、実は木造とS造(鉄骨造)を比べると、木造の方が火災時に倒壊するまでの時間が長いというデータもあります。
なぜなら、木材が燃えるのは表面のみだから。
太い木材は、表面が燃えて炭化層が形成されると、そこで酸素が遮断されてそれ以上燃え進まないのです。
一方、鉄骨は250℃程度で変形し始め、800℃程度に達すると、一気に崩れ落ちてしまいます。
木造建築物は、柱の内部まで燃え尽きて全壊するまでに時間がかかるため、火災時に避難時間を確保しやすいです。
また、自然素材はビニール系材料のように、燃焼時に有害物質が出ることもありません。
“自然素材の家”におすすめの材料は?
では、「自然素材の家」にはどのような材料が使われるのでしょうか。
特におすすめの材料を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
国産材をはじめとした無垢材
日本は、国土の2/3を森林が占め、建築材料に使われる樹木がたくさん育てられています。
自然素材にこだわるなら、これらを使わない手はありません。
国産材は日本の風土の中育った樹木から製材されるため、比較的変形などが少ないとも言われており、輸入材のように運搬時に多量の化石燃料を使うことがなく、二酸化炭素排出量も少なく抑えられます。
そのため、地球環境にも優しい材料として採用を決める方も少なくありません。
(引用:一般社団法人 ウッドマイルズフォーラム)
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漆喰・珪藻土・シラス壁などの塗り壁材
漆喰の原料は消石灰で、珪藻土は藻類の一種である珪藻の殻が化石化して堆積したものです。
最近は、これらに加えて火山が噴火した際のマグマが堆積したものが原料であるシラス壁も普及しています。
これらは、微粒子に見えないほどの小さな穴が無数に空いており、湿気や匂い成分を吸着させる点が特徴。
そのため、調湿性・消臭性もあり、機能的にも優秀です。
大きな湿気容量、蓄熱容量を持っている土壁の人気も再燃しています。
また、ビニールクロスにはないランダムでナチュラルなテクスチャーが表現できるため、意匠面にこだわりたい方にもおすすめです。
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自然由来の断熱材
自然素材にこだわる部分は見えるところに限りません。
壁内や天井裏などに入れる断熱材も自然由来のものがおすすめです。
セルロースファイバー(木質繊維)製のものや、羊毛製のものですと、断熱効果だけではなく調湿効果もあるため、壁内結露による構造体の腐朽やカビのリスクを抑えられます。
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自然由来の塗料・接着剤
塗料や接着剤は特に自然素材にこだわりたい材料です。
なぜなら、これらの材料にはムラなく塗装できさらに早く乾燥するように、いくつもの化学物質が入っているからです。
自然素材の塗料や接着剤として知られているのが、膠(にかわ)や、米糊(こめのり)、蜜蝋ワックス、草木染め、ミルクペイントなどがあり、使う場所によって適した材料は異なります。
自然エネルギーを活用した設計・設備
住む人の健康や環境に優しい材料を選ぶのなら、ぜひ自然エネルギーも積極的に取り入れてみましょう。
最近は、パッシブデザインという設計手法が日本でも広まりつつあり、太陽熱を時には室内へ取り入れたり遮ったりして、冷暖房の使用量を減らします。
また、太陽光発電システムや雨水処理システム(雨水をトイレ排水などに活用する)など、電気・水道の使用量を減らせば、環境問題解決へ貢献できるだけではなく、光熱費削減も夢ではありません。
その他、ペレットストーブや薪ストーブもおすすめです。
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私たちは“本当に快適な家に住んでほしい”という想いから、家づくりに以下のものを使わないことをお約束します。
- 化学物質を含む接着剤を使用した合板、集成材
- 防蟻防腐剤注入土台・グラスウール
- ビニールクロス・廃棄時有害なもの
私たちの自然素材へのこだわりについては、「自然素材について」をご覧ください。
“自然素材の家”を建てるなら見えない部分にもこだわって
近年、自然素材を使った家づくりを強みとしているハウスメーカーや工務店が増えてきています。
しかし、中には無垢材のフローリングや漆喰の壁など、目に見える部分だけに自然素材を使っているケースも多くみられます。
意匠面で自然な風合いを取り入れたい場合は、それでも十分なのですが、健康面でのメリットを活かしたい場合ですとそれでは効果が感じられないかもしれません。
例えば、目に見えない断熱材や接着剤に化学物質が使われていたらどうでしょう。
家づくりに求めている「体調の改善や健康な暮らし」は実現できないですよね。
本当の意味で「身体のことを考えた自然素材の家」ではありません。
私たち“フォレストブレス”は、目に見えない部分まで徹底的にこだわって素材選びをしています。
「材料にとことんこだわりたい」という方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
「自然素材の家」と言っても、どこまでこだわるかは施工会社によってまちまちです。
自然素材の持つデザイン的な魅力を活かしたい場合は、内装材だけに取り入れることも良いでしょう。
しかし、健康的な暮らしの実現を目的に自然素材を使うのでしたら、ぜひ見えない部分にもこだわってください。
家族の安心や健康を考えた家づくりをして、いつまでも元気で楽しく暮らせるマイホームを建てましょう。
私たち“フォレストブレス”が、その思いを実現させるお手伝いをします。
“自然素材の家”を建てるなら茨城県石岡市のフォレストブレスへ
フォレストブレスでは国産無垢材や漆喰、シラス壁などを活かした自然素材の家づくりを行っています。
断熱材にはセルロースファイバーや羊毛断熱、接着剤には膠や米糊など採用に、目に見えない部分の素材選びにもこだわり抜いています。
自然素材の家に興味がある方、身体に良い家を建てたい方のご相談をお待ちしております。
定期的に見学会などのイベントも開催しておりますので、ぜひ私たちの家づくりをご体感ください。