ホルムアルデヒドとは?症状や臭いを抑える家づくりをする方法を解説

リビング階段

 

ホルムアルデヒドは、身体に良くない化学物質という認識を持たれてる方が多いのではないでしょうか。確かにその通りで、シックハウス症候群の原因にもなる危険な物質です。しかし、具体的な症状や臭いまで熟知している方はいないため、建築材料にこだわらず家づくりをしてしまう方も少なくありません。

 

家づくりをする際には、ホルムアルデヒドを発散する建築材料が使われているのか、細かくチェックすることが大切です。今回は、ホルムアルデヒドについて詳しく解説し、臭いや症状を抑える家づくりをする方法をお伝えします。

 

ホルムアルデヒドとは?

ホルムアルデヒドとは有機化合物の一種で、無色の気体です。1888 年にドイツで製造され、工業製品として使われるようになりましたが、元々は消毒剤や防腐剤として使われていました。現在でもホルムアルデヒド37%の水溶液はホルマリンと呼ばれ、生物標本などの製造に使われています。

 

1910年以降に、ホルムアルデヒドはアメリカで合板やフローリングの製造に使われる、合成樹脂や接着剤の原料として多く取り入れられるようになりました。その後、日本でもホルムアルデヒドが使われた合板や建材が使われるようになりましたが、健康への悪影響から問題視され始めました。現在では、ホルムアルデヒドが含まれた建築材料は使用量が制限されています。

 

ホルムアルデヒドの臭いは?

ホルムアルデヒドは臭いが強いことが特徴の化学物質です。無色の気体なので目で見て気付くことはありませんが、ツンとした強い刺激臭を感じることがあります。ホルムアルデヒドの発散量の多い新築住宅は特に臭いがきつく、体調不良を感じる方も少なくありません。

 

ホルムアルデヒドは何に使われている?

合板

ホルムアルデヒドは接着剤や防腐剤、塗料などに使われています。そのため、住宅のさまざまな箇所からホルムアルデヒドは発散している可能性が高いです。具体的には次のような建築材料に含まれています。

 

  • ・合板
  • ・パーティクルボード
  • ・集成材
  • ・床や壁用の接着剤
  • ・フローリング等の床材
  • ・壁紙などの壁材

 

住宅を作る上で、ほとんどの家に取り入れられている建築材料ですね。他にも、家具の接着剤などにもホルムアルデヒドは使われています。採用する素材によってホルムアルデヒドの発散量が異なるため、慎重に建築材料を選ぶことが大切です。

 

ホルムアルデヒドの室内許容度はどのくらい?

現在は、住宅を建てるときに使用できるホルムアルデヒドの量が制限されています。室内許容度は0.08ppm(100㎍/㎥)です。

 

ホルムアルデビド0.08ppmとは、空気1m角の空間に約4.3mm角のホルムアルデヒドがあるということで、指針値の100μg/m3は、室温25℃で換算すると、約0.08ppmとなります。
注:ppmはpart per millionの略。

引用元:よくある質問-ホルムアルデヒド及びVOC|公益財団法人 日本合板検査会 (jpic-ew.net)

 

具体的には、空気1㎥の空間に約4.3ⅿ㎥角のホルムアルデヒドがあるということを指します。かなり少ない量しかホルムアルデヒドを使ってはいけないということが想像できるでしょう。

 

シックハウス症候群?ホルムアルデヒドが人体に与える影響

シックハウス症候群

ホルムアルデヒドが発生している家にいると、体調不良が発生する方も少なくありません。シックハウス症候群と呼ばれるものです。人体に対して、次のような悪影響を及ぼすことがあります。

 

  • ・目がチカチカする
  • ・鼻や喉に刺激を感じる
  • ・めまいや頭痛
  • ・吐き気がする
  • ・皮膚への刺激
  • ・集中力の低下や倦怠感

 

住宅ではありえない数値ですが、50ppmを超えると肺炎を起こして死亡することもあるほど危険な化学物質です。人によって感じ方はさまざまで、少量のホルムアルデヒドでもシックハウス症候群が発症する方もいます。対して、何の問題もなく生活できる人もいるでしょう。また、ホルムアルデヒドは気温が高いほど発生しやすい気体です。

 

平成9から12年度 都保健所での相談結果

 

東京都福祉保健局の調査では、温度の上昇に合わせてホルムアルデヒド濃度が高まるという実験結果が出ています。

 

ホルムアルデヒドの臭いや症状を抑える家づくりをする方法

ホルムアルデヒドの臭いや症状を抑える家づくりをする方法をお伝えします。

 

ホルムアルデヒドの発散放散速度の低い建築材料を使う

1番の対策はホルムアルデヒドの発散が少ない建築材料を使うことです。現在、ホルムアルデヒドを発散する建築材料は、次の4つに分類されています。

 

ホルムアルデヒド発散建築材料

参考資料:030624基準の説明資料(HP).PDF|国土交通省

 

F☆☆☆☆の建築材料は、ホルムアルデヒドの発散が無いまたはごく微量のため、最も安全性が高いです。注文住宅を建てる際には床材や壁紙の種類だけでなく、ホルムアルデヒドが含まれている可能性が高い接着剤などにも目を向けましょう。ただし、シックハウス症候群を引き起こす原因となる化学物質は、ホルムアルデヒドだけだはありません。さまざまな化学物質に目を向け、身体に優しい建築材料を選びましょう。

 

計画的に換気を行えるような設備や間取りを取り入れる

どんなにホルムアルデヒドの発散が少ない建築材料を取り入れても、生活している中でゼロにすることは難しいと言えます。なぜなら、衣類や芳香剤、たばこなどにも少量のホルムアルデヒドは含まれているからです。少量のホルムアルデヒドが発散している部屋なら、計画的に換気をして空気を出せば人体への影響を最低限に抑えることができます。現在は、住宅の24時間換気が義務付けられているため、新築住宅であれば計画的に換気が行われています。住宅会社がどのような換気方法を採用しているかを理解し、空気の質が良くなる換気方法を取り入れてくださいね。

 

また、自然豊かな地域では、窓を開けて換気するという方も多いですよね。優しい風が室内に吹き込むと気分も良くなります。風通しの良い間取りを作るためには、空間と窓の位置関係が大切です。

 

窓が複数ある空間

▷建築実例「サワラの家」

 

一面しか窓がないと空気が上手く循環せず、窓付近しか換気ができません。複数の窓をバランスよく配置することで風が抜けるため、家中の風通しが良くなります。生活動線だけでなく風の流れを考えながら、間取りづくりを行うことが大切です。

 

家具にもホルムアルデヒドが含まれているため注意が必要

ホルムアルデヒドは家具にも含まれていることが多いです。家具の接着剤にホルムアルデヒドが含まれていると、住宅建材の素材にこだわっても意味が無くなってしまいますよね。家具は内装材ほど表面積が大きくないためホルムアルデヒドの発散量も少ないですが、中にはシックハウス症候群を発症する方もいます。家具の素材にもこだわりながら、身体に優しい家を建てましょう。

 

身体に優しく良い匂いがする自然素材とは?

ホルムアルデヒドを含まない、またはごくわずかしか含まない建材を選びたいなら、自然素材を取り入れましょう。身体に優しく匂いも良い自然素材を多く採用し、居心地の良い室内環境を整えることが大切です。フォレストブレスでも取り入れている自然素材を紹介します。

 

【接着剤】膠(にかわ)、木酢酢(もくさくす)

膠(にかわ)

ホルムアルデヒドが多く含まれる接着剤や防腐剤は工業製品がほとんどです。化学物質を一切含まない、膠(にかわ)や木酢酢(もくさくす)などの天然素材を使用することで、身体に優しい住宅を作ることができます。

 

膠(にかわ)

動物の骨や皮を煮て精製してできるゼラチン質の接着剤です。強力な接着力と短時間での接着が特徴的で、瞬間接着剤としてフローリングの接着などに適しています。

 

木酢酢(もくさくす)

木酢液とは、木炭や竹炭を焼くときに出る煙や水蒸気を冷やして液体にしたものです。液体をろ過して有害物質を取り除くことで、質の良い木酢液が出来上がります。住宅では主に防腐剤として使われることが多いです。他にも殺菌、虫除け、土壌改良などの効果もあるため、ガーデニングなどにも木酢液が使用されます。

 

フォレストブレスでは、膠と木酢酢をベースとした天然接着剤・防腐剤を使用しています。木酢液は、竹炭や炭焼き小屋の良い香りがする点も特徴的です。化学物質特有の嫌な臭いは全くありません。ぜひ膠と木酢液を使った天然接着剤の、心地良い香りを嗅ぎにきてくださいね。

 

【耐力壁】石膏ボード

モイス(内装、耐力壁材)

耐力壁に使われる石膏ボードは、自然素材である「土壁・木」を手本として開発された建築資材です。石膏を板状にして、両面を石専用の紙で巻き付けて作られています。ホルムアルデヒドを発散する建築材料ではないため、住宅の耐力壁として多く取り入れても安全です。

耐力壁には合板が使用されることもありますが、薄い板同士を貼り合わせる接着剤にホルムアルデヒドが含まれています。そのため、現在では石膏ボードを採用する住宅会社が増えてきました。

 

フォレストブレスでは、MOISS(モイス)という石膏ボードを使っています。モイスは、ケイ酸質・石灰質材料・補強繊維・バーミキュライトを主成分にした天然の壁材です。もちろんホルムアルデヒドを発散することはありません。天然鉱石「バーミキュラ」はホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着・分解する効果があります。他の建材や家具等から出るホルムアルデヒドから、住む人を守ってくれる耐力壁と言えるでしょう。

参考資料:MOISS | モイス Q&A

 

【構造材・床材等】無垢材

木そのものの品質

ホルムアルデヒドの影響を考えるなら、構造材は集成材よりも無垢材を使用することをおすすめします。集成材とは、ラミナと呼ばれる板を貼り合わせて構造材にしたものです。集成材を作るときに多くの接着剤が使われるため、ホルムアルデヒドが発散されます。無垢材なら、1本の木から構造材を丸々切り出すため、接着剤は使いません。

 

肌が触れる機会が多い床材にも無垢材を採用することをおすすめします。

フローリング

板が何層にもなっている一般的なフローリングは接着剤が使われています。無垢材を選ぶことでフローリング自体の接着剤は不要です。

 

フォレストブレスでは100%国産の無垢材を使用しています。主に、スギやヒノキです。フローリングを施工する際には接着剤を使いますが、膠の天然接着剤を使用するため、ホルムアルデヒドを発散する心配はありません。

 

【内装壁材】シラス壁・漆喰

シラス壁

▷建築実例「音楽ルームのある家(水戸市)」

 

クロスなどの壁材や接着剤にもホルムアルデヒドが含まれるものが多くあります。シラス壁や漆喰などの天然素材なら、ホルムアルデヒドを出すことはありません。空気中に発散されたホルムアルデヒドなどの有害物質を、吸着・分解する機能も持ち合わせています。塗り壁なので、施工時に接着剤を使用することもなく安全です。

 

シラス壁についてはこちらのコラムをご覧くださいね。

▷おすすめコラム:【体に優しい自然素材】シラス壁とは?効果やメリット・デメリットを解説

 

フォレストブレスでは、内装壁材にシラス壁・漆喰などを使用しています。 防臭・調湿効果もあるため、快適な空気環境を保つのにぴったりな内装材です。見た目の温かみも魅力の1つです。ぜひ実際に体感しにいらしてくださいね。

 

まとめ

自然素材の家

▷建築実例「楽しく暮らすシンプルな平屋(東海村)」

 

シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドは、現在使用量が制限されています。発散量の少ないF☆☆☆☆の建築材料が多く流通しているため、以前と比べて安心な家づくりができると感じている方も多いです。しかし、ホルムアルデヒドの発散量が少なければ絶対に安全なのでしょうか。実際には、ホルムアルデヒドの発散量が少ない材料で建てた家でも、シックハウス症候群になる人もいます。本当に安全なのは、ホルムアルデヒドを発散しない、自然素材を取り入れた家づくりです。

 

フォレストブレスでは、接着剤や内装材にホルムアルデヒドを発散しない自然素材を多く取り入れています。中には、空気中のホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着・分解してくれる建築材料もあります。また、自然素材ならではの香りを楽しめるものも多いです。室内の空気環境にこだわった家づくりに興味がある方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。

 

使用している自然素材や標準的な仕様は、こちらのページをご確認ください。

▷フォレストブレスの自然素材について

▷フォレストブレスの標準的な仕様について

 

「自然素材の家」を建てるなら茨城県石岡市のフォレストブレスへ

フォレストブレスでは国産無垢材や漆喰、シラス壁などを活かした自然素材の家づくりを行っています。

断熱材にはセルロースファイバーや羊毛断熱、接着剤には膠や米糊など採用に、目に見えない部分の素材選びにもこだわり抜いています。

自然素材の家に興味がある方、身体に良い家を建てたい方のご相談をお待ちしております。

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定期的に見学会などのイベントも開催しておりますので、ぜひ私たちの家づくりをご体感ください。

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著者情報

渡辺 勉

渡辺 勉渡辺⽊材株式会社(フォレストブレス)代表取締役

⽊材会社として⻑年⽊に携わってきた経験を⽣かし、⾃然素材の家づくりを⾏っています。
アレルギーやアトピー、喘息の原因となる化学物質を含む接着剤を使用した合板・集成材、防蟻防腐剤注入土台、グラスウール、ビニールクロス、そして廃棄時有害なものは使いません。
⽊の特性を⾒極め、適材適所に活⽤できるノウハウを持ったわたしたちと本物の⽊の家をつくりませんか。

保有資格
  • 二級建築士

  • 茨城県木造住宅耐震診断士

  • 茨城県住宅耐震・リフォームアドバイザー

  • 福祉住環境コーディネーター

  • 一級エクステリアプランナー

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