国産木材で住宅を建てるメリット・デメリット|国産材は本当に価格が高い?

 

日本は世界の中でも有数の森林大国と言われています。実際に日本国土の約66%は森林です。

多くの森があるということは、健康に育った木がたくさんあるということです。

しかし、日本の住宅の多くは外国産の輸入木材が使われています。

日本に良い資源がたくさんあるのにもったいないですよね。

実際に質の良い木材で家づくりをしたいと考える住宅会社の多くは、国産木材に目を向けて取り入れています。

今回は国産木材で家を建てるメリット・デメリットを紹介し、国産木材の価格について解説します。

 

国産木材の自給率はどのくらい?

管理された山での伐採

日本では、国産木材よりも輸入木材が住宅に使われることが多いです。

国産木材の自給率はどのくらいなのでしょうか。

 

国産木材の自給率(用材)

▷参考データ:令和3年木材需給表|林野庁

 

2021年の建築・土木・家具などに使用する用材の自給率は35.9%でした。

輸入木材の価格高騰などの理由により、徐々に国産木材の自給率は上昇しています。

しかし、4割に満たないほどの自給率のため、まだまだ日本は輸入木材に頼っていることがわかります。

 

国産木材で家を建てる7つのメリット

国産木材を使った内装

▷建築実例「光や風を感じる家」

 

国産木材で家を建てることのメリットを紹介します。

 

①日本の四季に適した木材で家を建てることができる

日本は春・夏・秋・冬という四季がありますよね。

夏場は高温多湿、冬場は低温で乾燥した気候が特徴的です。

もちろん外で育っている国産の樹木も、気温や湿度の高低差がある中で呼吸し成長しています。

そのため、構造材に加工された後でも四季に対応した生き方ができるのです。

 

対して、輸入木材は四季を経験せずに育っています。

日本に輸入されて初めて四季を体感するため、高温多湿の時期に腐ってしまったり、乾燥の時期に大きく割れを起こすことがあるのです。

 

②耐久性が高い

国産木材を使った外観

▷建築実例「楽しく暮らすシンプルな平屋(東海村)」

 

日本の木は高温多湿の環境で育っているため、高い耐久性を持っているという特徴があります。実際に森林・林業学習館が行った実験で耐久性の高さが証明されました。

 

【実験内容】

平成13年から8年間、下記の4つの樹木を野ざらしにしておきます。

 

  • ・ヒノキ(静岡県産)
  • ・スギ(鹿児島県産)
  • ・ベイツガ(カナダ産)
  • ・ホワイトウッド(フィンランド産)

 

どの樹種も建築材として使用されることが多いです。

 

【結果】

2年半後にホワイトウッドにはキノコが生え始め、4年後には崩壊しました。8年経つとベイツガも崩壊。

対して、国産木材のスギ・ヒノキは多少の割れなどはありつつも、崩壊することはありませんでした。

 

▷参考ページ:木材 野ざらし実験(国産材VS外国産材)|森林・林業学習館

 

この実験から、日本で育った木材は高い耐久性があることが認められています。ほとんどの方は、家を1度建てたら一生そこに住み続けると考えますよね。長く安全に暮らしたいなら、耐久性のある国産木材を取り入れてみてはいかがでしょうか。また、雨ざらしになることが多い外壁に天然木材を取り入れたい場合も、湿気に強く耐久性が高い国産木材をおすすめします。

 

③海外にいるシロアリなどを国内に持ち込む危険性がない

海外には日本国内にはいないような害虫が多くいます。

それらの害虫が木材の中にいるまま日本に輸入されると、日本にも海外の害虫が生息して被害を及ぼす可能性があるのです。

実際に「アメリカカンザイシロアリ」というシロアリは北アメリカが原産とされていますが、1970年代に東京都江戸川区でも発見されました。

アメリカカンザイシロアリは羽アリなので、日本のシロアリと比べて早期発見は難しいと言われており、日本各地でも多くの被害が出ています。

このように、輸入家具や木材は恐ろしい新種の害虫を日本に運んでくる危険性があるのです。

国産材の普及率が増えれば、海外の害虫が生息するリスクを減らすことができるでしょう。

 

④薬剤注入による健康被害のリスクが少ない

先ほど、輸入木材には海外の害虫が潜んでいる可能性があるというデメリットを紹介しました。

その対策として、輸入木材は多くの消毒剤や防腐剤を注入してから日本へ輸入されています。

薬剤を注入することで、木材が腐りにくくなったり虫を死滅させたりすることが可能です。

しかし、住む人への健康被害が発生する点が新たなデメリットとして生まれます。

人によってはアレルギーを発生させ、体調が悪化するなどの危険性があるのです。

 

一部の国産材にも薬剤が注入されていることもありますが、多くの木材は身体に害となる薬剤が含まれていません。

健康に暮らしていくために、安全性の高い木材を選びましょう。

 

⑤産地が明確になり木材の質を見極めやすい

国産木材は「日本国内の木」というだけでなく、どこの都道府県で生産・加工された木材なのかが分かりやすいです。

また、木材の生産会社と直接取引ができる住宅会社なら、実際に目で見て仕入れる木材を検討することもできます。

輸入木材の場合、良い木を取り入れたいと思っても、得られる情報は原産国だけというケースも少なくありません、

どんな環境で育ち、伐採されているのか見ることは不可能と言えます。

 

食材と同じように、木材もどこの誰が手をかけて育てたかが明確だと安心ですよね。

国産木材の仕入れに力を入れている住宅会社を探し、質の良い木を住宅に採用してもらいましょう。

 

⑥山が整備され災害から守ることにつながる

国産木材が多く使われると、山が整備されるため土砂崩れなどの災害から地域を守ることができます。

木をたくさん伐採したら、山が衰退するのではと思う方もいるでしょう。

しかし、実際は伐採・植樹・育てるのサイクルが上手くいっているため、国産木材をたくさん使った方が山はどんどん活性化されます。

逆に、長く手入れされていない森は、上部の葉が生い茂って土に日光が当たりません。

そのため、根が弱ってしまい木が衰弱し、大雨の際に土砂崩れを起こしやすくなります。

 

「国内の木を使うことで、日本を災害から守ることができる」と考えると、国産木材への考えも大きく変わるのではないでしょうか。

大げさな言い方かもしれませんが、家を建てることで救える命があるかもしれません。

日本の環境を良くするために、国産木材の採用を検討してみましょう。

 

⑦海外の情勢に関係なく木材が手に入る

輸入木材は、海外の情勢によっては予定しているタイミングで輸入ができなかったり、輸入量が足りなかったりするケースもあります。

国産木材は、日本で生産・加工されるため海外の情勢や経済状況によって、木材の質や量が左右されません。

輸入木材と比べると生産量が少ないですが、一定の生産量を維持しやすいという安定性があります。

 

国産木材で家を建てる2つのデメリット

無垢材の床

国産木材で家を建てるデメリットを紹介します。

 

①流通量が少なく価格が高くなりやすい

住宅会社によっては、国産木材で家を建てると大幅な費用追加になることがあります。

輸入木材から国産木材に変更したら数十万円も価格が上がったというケースも少なくありません。

 

価格が高い理由の1つに、流通量の少なさが挙げられます。

希少価値があるものは手に入れるのが大変で、価格も高いですよね。

国産材は手に入らないほど希少価値があるわけではありませんが、生産量が少ないことは確かです。

そのため、価格が高騰するケースも多く、住宅会社によっては大幅な費用追加になってしまいます。

 

②変形や割れが起こりやすい

国産木材は多湿な環境の中で育っているため、潤沢な水分を丸太の内部に含んでいます。

木材は十分に乾燥させないと、変形や割れが起こりやすいです。

具体的には、木の含水率を20%以下にすることで一気に強度があがります。

水分量が少ない木材は、変形や割れも起こしにくくなります。

国産木材は乾燥が非常に大切で、質の高い乾燥処理を行わなければなりません。

家づくりに国産木材を取り入れたいなら、乾燥の方法なども詳しくチェックしましょう。

 

本当に輸入木材よりも国産木材の価格が高いのか

国産木材の唯一とも言えるデメリットが価格の高さです。

では実際に、国際木材は輸入木材よりも高価なのでしょうか。

 

大量生産の輸入木材と異なり、国産木材は手間をかけて出荷するため、質の高さによる価格高騰という理由は確かです。

しかし、国産木材の価格の高さに大きく関係している理由に、「木材の流通ルート」が整備されていない点が挙げられます。

林業先進国では、伐採や運送のルートが整備されているため、安く木材を運ぶことが可能です。

また、日本政府は輸入木材に対して関税をかけていないため、さまざまな国から木材がどんどん輸入されるルートが整っています。

これらが理由により、日本国内で木材を流通させるよりも、海外から木材を輸入した方が低コストという仕組みができてしまったのです。

 

しかし、裏を返せば木材の流通ルートを整備すれば、国産木材はそれほど高価ではないことがわかります。

住宅会社が流通ルートを確保すれば、正規の価格で国産木材を仕入れられるということです。

一般的に、製材メーカーから住宅会社が木材を仕入れるためには、市場や問屋、材木屋などの様々な会社を通さなければいけません。

すると、それぞれでマージンが発生するため、木材の価格はどんどん高騰します。

木材自体はそれほど高くないのに、多くの人の手間がかかるため無駄なお金がかかっているのです。

 

住宅会社側が流通ルートを確保することで、中間マージンをカットすることが可能です。

「渡辺木材」として独自の仕入れルート

 

製材メーカーや木材市場から、木材を直接仕入れることができれば無駄なコストはかかりません。

フォレストブレスでは、このような仕組みを作ることによって、適正価格で木材を仕入れています。

市場で実際に木材を見た上で買い付けができるため、質の高い木材を住宅に取り入れられる点もメリットです。

当社の国産木材の仕入れに関して、詳しくはこちらをご覧ください。

▷フォレストブレスの自然素材について

 

しかし、どこの住宅会社でもこのような流通ルートを確保できるわけではありません。

長年培ってきた企業努力によって生まれた、独自の流通ルートです。

国産木材を採用したいなら、住宅会社選びがとても大切です。

質の高い国産木材を適正価格で仕入れてくれる住宅会社に、家づくりをお願いしましょう。

 

まとめ:国産木材を使って質の高いマイホームを建てよう

木を使った洗面所

▷建築実例「漆喰外壁のシンプルな平屋」

 

国産木材には、輸入木材にない多くの魅力があります。

四季のある日本で育ってきた木材は、気候に適応して高い耐久性を発揮します。

そのため、質の高い建物を建てることができるでしょう。

また、国産木材を使うことで日本の山を活性化させ、最終的には私たち自身が暮らす地域を守ることにもつながります。

適正な価格で国産木材を仕入れてくれる住宅会社に家づくりをお願いし、身体にも環境にも優しいマイホームを建てましょう。

 

 

「自然素材の家」を建てるなら茨城県石岡市のフォレストブレスへ

フォレストブレスでは国産無垢材や漆喰、シラス壁などを活かした自然素材の家づくりを行っています。

断熱材にはセルロースファイバーや羊毛断熱、接着剤には膠や米糊など採用に、目に見えない部分の素材選びにもこだわり抜いています。

自然素材の家に興味がある方、身体に良い家を建てたい方のご相談をお待ちしております。

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著者情報

渡辺 勉

渡辺 勉渡辺⽊材株式会社(フォレストブレス)代表取締役

⽊材会社として⻑年⽊に携わってきた経験を⽣かし、⾃然素材の家づくりを⾏っています。
アレルギーやアトピー、喘息の原因となる化学物質を含む接着剤を使用した合板・集成材、防蟻防腐剤注入土台、グラスウール、ビニールクロス、そして廃棄時有害なものは使いません。
⽊の特性を⾒極め、適材適所に活⽤できるノウハウを持ったわたしたちと本物の⽊の家をつくりませんか。

保有資格
  • 二級建築士

  • 茨城県木造住宅耐震診断士

  • 茨城県住宅耐震・リフォームアドバイザー

  • 福祉住環境コーディネーター

  • 一級エクステリアプランナー

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