“家庭菜園付き住宅”を建てる際に知っておくべき8つのポイント

家庭菜園付き住宅のポイントは?

「家でとりたて野菜を楽しみたい」「趣味として家庭菜園を始めたい」そんな方も多いでしょう。

最近は、新築でも賃貸でも家庭菜園用の畑が設けられている物件が増えています。

しかし、畑は単にスペースがあればいいという訳ではありません。

そこで今回は、「家庭菜園付き住宅」を建てる際のポイントについてお話しします。

これからマイホームを新築する方はもちろん、今のお住まいをリフォーム・リノベーションしたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

コラムのポイント
●家庭菜園を成功させるためには、日当たり・土壌の質・風通し・水はけの条件をクリアしなくてはいけません。
●家庭菜園付きの家には、植物・住む人・家そのものにとって負担にならないような配慮をする必要があります。
私たち“フォレストブレス”が、1934年創業以来木材会社として培った知識・経験を活かし、自然素材にこだわった“あなただけの住まいづくり”をお手伝いします

 

 

 

家庭菜園を始めたい方が増えています

家庭菜園付き住宅のポイント

 

原油高の影響で、食料品や日用品の値上がりがニュースで取り上げられることも多いですが、野菜や果物も例外ではありません。

日々のお買い物で、それを実感する方は多いでしょう。

ある調査によると、家庭菜園未経験者のうち、「野菜を作ってみたい・関心がある」と回答した方は、なんと33.7%にも上ります。

趣味として楽しむため」という方が多いですが、それ以外にも「新鮮な野菜を食べるため」や「子どもの食育のため」という理由も目立ちます。(参考:タキイ種苗株式会社

つまり、家庭菜園は、世代や家族構成を問わず、幅広い方からの興味関心を受けているということです。

しかし、ベランダのプランター栽培で育てられる野菜や果物は限られてきます。

本格的に家庭菜園を楽しみたい方は、やはり直植えのできる畑がおすすめ!

ただし、単に空いたスペースに植物を植えればいいという訳ではありません。

 

ポイント

家庭菜園を成功させるためには、エクステリア計画・配管や配線など、いくつかのポイントを押さえなくてはいけません。

そのため、新築住宅のお庭を家庭菜園に適したプランにしたいという方が増えています。

 

 

 

 

家庭菜園を成功させるための条件は?

家庭菜園したい人が増加中 

 

家庭菜園を成功させるためには、植物の生育に適した環境を整えなくてはいけません。

主な条件は4つあります。

 

  • ・十分に日が当たる
  • ・生育環境に合った土がある
  • ・風通しがいい
  • ・水はけがいい

 

    これらをカバーした配置計画を考えなくてはいけません。

    では、それぞれ詳しく見てみましょう。

     

     

    「日当たり」

    日当たりの最もいい南側が家庭菜園に適しているとされていますが、多くの植物は、午前中に多く日が当たる場所でよく成長するため、朝日をたくさん受けられる東向きでも十分家庭菜園を楽しめます。

    また、レタスや里芋など、一日中日が当たるよりも、半日程度の方がいい種類の植物もありますし、三つ葉やミョウガなど、直射日光を嫌う野菜もあります。

    そのため、いくつかの野菜・果物を育てたい方は、畑を何ヶ所かに分けることも検討しましょう。

     

     

     

    「土の状態」

    植物にとって良い土とは、保水性・通気性・排水性があり、なおかつ腐葉土や堆肥などの有機物が豊富な状態。

    最低でも、深さ20〜30cm程度ないと、うまく根を張ってくれません。

    そのため、粘土質で乾燥すると硬くなる土壌や、砂質の土壌、浅い部分に硬い土の層がある場合は、土壌改良が必要です。

     

     

     

    「風通し」

    植物が健康に育つためには、日照・水分だけではなく風通しも欠かせません。

    なぜなら、湿気がこもりやすい場所では下葉や根が腐ってしまう可能性があるからです。

    また、湿度が高い場所は、カイガラムシやうどんこ病による虫害が起こりやすくなるため、できるだけ開放的な場所に畑を配置することをおすすめします。

     

     

     

    「水はけ」

    植物には水分が欠かせませんが、過度に湿った状態が続くと、土壌中の空気がなくなり酸素不足となって、種類によっては根腐れして枯れてしまいます。

    そのため、水はけが良く、根が吸収しきれない水分が残らない環境を整える必要があるのです。

    ただし、砂質土壌のように水はけが良すぎても、頻繁に水やりをしなくてはならず、あまり効率的ではないので気をつけましょう。

     

     

     

     

    〈家庭菜園付き住宅の新築・リノベーション〉知っておくべき8つのポイント

    ▷建築実例「サワラの家」

     

    家庭菜園付きの住宅を建てる際には、植物の成長に好条件な環境を整えるだけではなく、人の負担を軽減し、さらに住まいにとってデメリットとならないように配慮しなくてはいけません。

    ここでは、事前に知っておくべき8つのポイントを紹介します。

    これから新築住宅を建てる方だけではなく、既存住宅のお庭に家庭菜園を作りたい方も、ぜひ参考にしてください。

     

     

    その① 位置は南・東・西・北の順で検討する

    植物は、一日の時間帯では10時~13時頃の間の光合成速度が高いとされています。

     

    (引用:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

     

    そのため、午前中にたくさん日を浴びることのできる、南面・東面に畑を配置すると良いでしょう。

    どうしても西面・北面にしか畑が作れない場合には、光補償点が低く日陰でも育つ「陰生植物」を植えてみてください。

     

    (引用:文部科学省

     

    家庭菜園で人気な陰生植物は、ミツバ・ パセリ・ニラ・ミョウガ・カブ・シソ・リーフレタスなどです。

     

     

     

    その② 埋没配管・配線の位置を把握する

     

    通常、水道・ガスの引込管や、電線を通すための埋没配管は、道路に配置されている本管から最短ルートを通って住宅へ接続されます。

    排水管や汚水枡も同様です。

    地域によっては浄化槽にて排水処理をしている場合もあるでしょう。

    レイアウトによっては、これらの配管が畑を配置したい場所と干渉してしまうかもしれません。

    配管の多くは地面から30cmほどの浅い部分を通っているため、家の建設がある程度進んだ段階で家庭菜園をしたいとなっても、土壌改良の際に配管が出てきて実現できない可能性もあるのです。

    そのため、外部の配管経路を把握した上で畑の位置を決めることをおすすめします。

     

     

     

    その③ 給水設備を整える

    「毎日の水やりが大変」「旅行などで長期に渡って家をあけることがある」という場合には、自動散水栓の設置を検討しましょう。

     

    (引用:株式会社タカギ

     

    もちろん、後から設置することもできますが、配管が露出して見栄えを損ねてしまったり、水道から遠ければ水圧が低くなることも考えられます。

    そのため、新築時にある程度近くに蛇口を設けておくと良いでしょう。

    最近は、雨水利用システムによって家庭菜園の水やりをするご家庭も増えています。

    雨水タンクを設置しておけば、災害時の緊急用生活用水としても活用できるため、家の防災性を高める上でもおすすめです。

     

    〈関連コラム〉

    【住宅で雨水利用】雨水処理システムの仕組みは?メリット・デメリットや注意点を解説

     

     

     

    その④ 水はけに配慮する

    雨が降った後や水やりをした後に水溜りができてしまうような粘土質の土壌の場合、砂質の土を混ぜるなどの土壌改良が必要ですが、より確実に排水を促したい場合には暗渠(あんきょ)排水を設置しておくのがおすすめです。

     

    (引用:国土交通省

     

    土の下に穴の空いた排水菅やドレーンを埋めて余分な水分を排水する仕組みで、水はけの悪い土壌には効果的です。

     

     

     

    その⑤ 泥ハネへの対策を取る

    毎日畑に水やりをしているうちに、近くの外壁や塀が泥だらけになってしまうケースも少なくありません。

    泥ハネによる汚れを避けるためには、家などから最低でも1m程度離しておくと良いでしょう。

    また、畑の周りにウッドチップなどを敷いておけば、跳ね返りをだいぶ抑えられます。

    水がはねることでもたらされるデメリットは汚れだけではありません。

    頻繁に外壁などが濡れてしまうと、苔や藻が生えて外壁材の劣化を早めてしまいますし、靴が汚れて玄関までドロドロになってしまいます。

     

     

     

    その⑥ 土の流出を防ぐ

    せっかく畑に良質な土を入れても、それが段々と流れ出てしまってはもったいないですよね。

    土の量も減るため、植物にとっても良くありません。

    流出を防ぐ最も効果的なのは、ブロックなどで周囲を囲う方法です。

    最近は、畑の高さレベルを上げて、作業中の腰にかかる負担を軽減するプランも増えています。

    しっかりと畑の周りを囲えば、地下茎などで増える雑草の侵入をある程度防げるため、お手入れ手間も軽減できるでしょう。

    また、靴が汚れることも少なくなる点もポイントです。

     

     

     

    その⑦ 道具などの保管場所も用意する

    家庭菜園に欠かせないのが、鋤や鍬、ふるいなどの農具や、肥料などです。

    これらの保管場所についても検討しておきましょう。

    できるだけ畑の近くに物置やコンテナを設置することをおすすめします。

    基礎を打って屋根・壁で覆う小屋にすると、建築基準法上の建蔽率や、固定資産税の対象となる可能性もあるため、早い段階で施工会社へ相談してください。

     

     

     

    その⑧ 将来の可変性についても考える

    シックハウス症候群に関連する法律

    ▷建築実例「自然素材のクリニック」

     

    家庭菜園を既に経験している方でしたらあまり心配ありませんが、これから始める方の場合には、長期間続けられない可能性もゼロではないでしょう。

    また、将来的に家族構成やライフスタイルの変化に伴い、家庭菜園で使っていた場所を、ウッドデッキや駐車スペースとして活用する可能性もあるはずです。

    始めてみたら、楽しくて畑を広げたくなる方も少なくありません。

    そのため、長く住み続ける住宅の場合には、可変性についても考慮してください。

    畑の囲いなどを作る場合には撤去しやすい構造にして、他の用途に変更しても邪魔にならない場所に水栓を設けることをおすすめします。

     

     

    ポイント

    「家の快適性」、「将来を踏まえた可変性」、「植物の生育にとって良好な環境づくり」これらを総合的に見て住宅のプランニングができる会社へ相談することが重要です。

    私たち“フォレストブレス”は、「自然素材」にこだわった高品質な住宅がコンセプトです。

    化学物質を含む材料を極力使わず、「呼吸が深くなる家」を追求しています。

    家庭菜園付きの住宅も多く手がけていますので、オーガニックな暮らしを実現したい方は、ぜひご相談ください。

     

     

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    まとめ

    「家庭菜園を始めたい」と思い立っても、植物の生育にとって良い環境が整っていなければうまくいきません。

    また、住む人の負担になるようでは、楽しく続けられないでしょう。

    そのため、家庭菜園を満喫できる家にするためには、様々なポイントを押さえる必要があります。

    植物・住む人・家そのものに負担をかけない家づくりをするためには、知識と経験が欠かせません。

    私たち“フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。

    「小さな家でコトを愉しむくらし」をコンセプトに、自然素材にこだわった事例・家庭菜園を取り入れた事例を数多く手掛けていますので、ぜひ私たちの“暮らしの提案”をご覧ください。

     

     

     

     

     

    「自然と触れ合える家」を建てるなら茨城県石岡市のフォレストブレスへ

    ▷建築実例「偕老の家」

     

    フォレストブレスでは国産無垢材や漆喰、シラス壁などを活かした自然素材の家づくりを行っています。

    断熱材にはセルロースファイバーや羊毛断熱、接着剤には膠や米糊など採用に、目に見えない部分の素材選びにもこだわり抜いています。

    自然素材の家に興味がある方、身体に良い家を建てたい方のご相談をお待ちしております。

     

      家づくりのご相談

     

    定期的に見学会などのイベントも開催しておりますので、ぜひ私たちの家づくりをご体感ください。

     

    イベント・見学会のご案内

     

    ホームページでは施工実例を多く紹介していますので、ぜひご覧くださいね。

     

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    著者情報

    渡辺 勉

    渡辺 勉渡辺⽊材株式会社(フォレストブレス)代表取締役

    ⽊材会社として⻑年⽊に携わってきた経験を⽣かし、⾃然素材の家づくりを⾏っています。
    アレルギーやアトピー、喘息の原因となる化学物質を含む接着剤を使用した合板・集成材、防蟻防腐剤注入土台、グラスウール、ビニールクロス、そして廃棄時有害なものは使いません。
    ⽊の特性を⾒極め、適材適所に活⽤できるノウハウを持ったわたしたちと本物の⽊の家をつくりませんか。

    保有資格
    • 二級建築士

    • 茨城県木造住宅耐震診断士

    • 茨城県住宅耐震・リフォームアドバイザー

    • 福祉住環境コーディネーター

    • 一級エクステリアプランナー

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