健康住宅とは|メリット・デメリット、建てる際のポイントを解説
昨今、注目されている「健康住宅」に明確な定義はありませんが、健康的に住めるように様々な工夫がされている住宅のことを指します。
住宅の健康被害の代表的なものとして、シックハウス症候群が有名ですが、使用する素材を選定することでそのリスクを軽減できます。
今回は、自然素材の家づくりにこだわる"フォレストブレス"が、健康住宅の特徴やメリット・デメリットをくわしく解説します。
・健康住宅の特徴を紹介します。
・住宅の「建材」「気密性・断熱性」「安全性」にこだわるのがポイントです。
・健康住宅のメリット・デメリットや建てる際のポイントを紹介します。
健康住宅の特徴
健康的に住めるように様々な工夫がされた住宅を健康住宅と定義すると、具体的には以下のような特徴があります。
- ・建材・家具からの空気汚染を防止する工夫がされている
- ・急激な温度変化を防止する工夫がされている
- ・結露防止対策が講じられている
- ・安全対策が講じられている
1つひとつ、見ていきましょう。
建材・家具からの空気汚染を防止する工夫がされている
建材や家具などから発生する化学物質による空気汚染等によりシックハウス症候群の発症リスクが高くなります。
シックハウス症候群は、室内空気環境の汚染により、皮膚や粘膜に刺激症状が出たり、頭痛・疲労感・倦怠感、めまい、吐き気などをもたらす症状が出ます。
シックハウス症候群の原因は医学的に解明されていませんが、以下のようなものが想定されています。
- 化学的要因:建材・家具などに使われている化学物質
- 生物的要因:カビなどの細菌
- 物理的要因:温度・湿度によるもの
- その他の要因:タバコ、石油ファンヒーターなど
建材や家具には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、VOC(揮発性有機化合物)が含まれていものがあるため、上記の化学物質が含まれる建材・家具を使用しないことが対策となります。
以下の記事では、シックハウス症候群の対策について紹介しておりますので、ぜひごらんください。
>シックハウス症候群の対策とは?新築・リフォームの際に知っておくべきポイントについて
急激な温度変化を防止する工夫がされている
部屋と部屋の間の温度差が大きいと、ヒートショックのリスクが高まります。
ヒートショックとは、急激な温度の変化で身体がダメージを受けることです。
住宅内の温度を一定に保つ高気密高断熱住宅を建てるなどヒートショック防止対策を講じることを検討しましょう。
結露防止対策が講じられている
住宅内で結露が発生すると、カビ・ダニの発生につながります。
カビの胞子やダニのフンなどが喘息・アレルギーの症状と原因となることもあるため、以下のような住宅の結露防止対策が重要です。
- ・断熱ドア・断熱窓を採用する
- ・窓の配置を工夫する
- ・高機能換気設備を導入する
安全対策が講じられている
特に、高齢者やお子様がいらっしゃるご家庭の方は、住宅の安全対策も重要です。
例えば、以下のような対策をこうじることで高齢者やお子様も安全に暮らせる住宅を実現できます。
- ・手すりを設ける
- ・住宅内の段差を少なくする
健康住宅のメリット・デメリット
健康住宅のメリット・デメリットを紹介します。
事前にメリット・デメリットを把握して、後悔しない健康住宅を建てましょう。
健康住宅のメリット
健康住宅のメリットは、以下のとおりです。
- ・健康被害のリスクを軽減できる
- ・快適に暮らせる
- ・住宅の価値が高まる
- ・地球環境にやさしい
特に、住宅の断熱性・気密性を高めることにより、省エネ性が向上するため、住宅のランニングコスト削減効果だけでなく、co²削減効果により地球環境保全にも貢献できます。
健康住宅のデメリット
健康住宅には、以下のようなデメリットもあるので注意しましょう。
- ・初期費用が高額になりがち
- ・経年変化がある
- ・ひび割れ・反りなどが生じることがある
健康住宅は、自然素材である木材を使用するため、経年により色の変化、場合によってはひび割れ・反りなどが生じることがあります。
このような経年変化を楽しむことも自然素材を使った住宅の魅力ですが、人によっては「こんなはずじゃなかった」と後悔することがあります。
健康住宅を建てる際のポイント
ここでは、健康住宅を建てる際に、「どのような素材があるか」「適切な室内環境にするにはどうするか」など建てる際のポイントを紹介します。
- ・自然素材を採用する
- ・住宅の断熱性・気密性を高める
- ・換気計画を立てる
それぞれ、見ていきましょう。
自然素材にこだわる
健康住宅をつくるには、人工的な化学物質を含まない自然素材にこだわることが重要です。
代表的な自然素材として、木材が有名ですが、以下の表のとおり、住宅の建材には様々な自然素材があります。
場所 | 建材等 |
---|---|
外壁、内装 | ・木材 |
断熱材 | ・セルロースファイバー ・羊毛断熱 |
壁材 | ・シラス壁 ・漆喰 ・モイス ・土壁 |
接着剤・塗料 | ・にかわ ・こめのり ・ミツロウワックス ・草木染 |
住宅設備 | ・ペレットストーブ ・太陽光発電 ・雨水処理システム ・薪ストーブ |
このような、自然素材を使用し、VOC(揮発性有機化合物)濃度を極力抑えることで、シックハウス症候群などの健康被害のリスクを軽減できます。
また、自然素材には調湿性能がありますので、結露発生防止効果によりカビ・ダニの発生を抑えられます。
以下の記事では、自然素材の調湿性能についてくわしく紹介していますので、ぜひごらんください。
住宅の断熱性・気密性を高める
住宅の断熱性・気密性を高めることで、ヒートショック防止、暑さ・寒さ対策になりますので、結果として健康的な住宅になります。
気密性とは、住宅のすき間をなくすことで、断熱性とは、室外と室内の熱の移動を抑えることを指します。
住宅の気密性と断熱性はセットで考え、以下のような施工をしましょう。
- ・気密性・断熱性の高い窓や建具を採用する
- ・断熱材を適切に施工する
- ・気密テープやパッキンを使用する
窓の気密性・断熱性を高めるなら木製サッシがおすすめです。
以下の記事では、木製サッシについてくわしく解説していますので、ぜひ、ごらんください。
>木製サッシに後悔するデメリットはあるのか|劣化・メンテナンスサイクル・価格など解説
また、クオリティの高い健康住宅をつくるためには、断熱材にもこだわりましょう。
自然素材の断熱材には、セルロースファイバーや羊毛断熱があります。
以下の記事では、羊毛断熱についてくわしく紹介していますので、ぜひごらんください。
適切な換気計画を立てる
住宅の気密性を高めることで、一度室内に湿気が入るとこもりやすくなります。
室内の湿気が多いと、カビ・ダニの発生につながりますから以下のような湿度対策が重要です。
- ・高性能換気設備を導入する
- ・窓の配置を工夫する
湿気対策として、窓の配置は重要なポイントです。
例えば、窓を対角に配置すると、部屋の中を空気が循環しやすくなり湿気対策になります。
自然素材にこだわった住宅の施工事例を紹介
最後に、自然素材にこだわった住宅の施工事例を紹介します。
健康的に暮らせる健康住宅をつくる際の参考にしていただければ幸いです。
じめじめした室内環境を改善したリフォーム事例
こちらは、じめじめしていた室内環境を改善したリフォーム事例です。
調湿性のある自然素材の杉・サワラの木材とシラス壁を使用することで、快適な空間に仕上がりました。
<施工事例>奥様こだわりの木のリフォーム
シックハウス症候群を改善したリフォーム事例
こちらは、シックハウス症候群にお悩みのお施主様からの依頼で自然素材を使った住宅にリフォームした施工事例です。
杉材、シラス壁を取り入れて、健康で快適に住まえる住宅を実現しました。
<施工事例>環境改善リフォーム
軽量鉄骨造住宅を自然素材でリフォームした事例
こちらは、軽量鉄骨造住宅を自然素材でリフォームした事例です。
内装を中心に木材とシラス壁の呼吸する家に改装しました。
<施工事例>鉄骨だけど木の家(リフォーム)
まとめ
今回は、「健康住宅とは何か」特徴やメリット・デメリットについて解説しました。
使用する建材と住宅の気密性・断熱性にこだわることで、健康的に暮らせる住宅を実現できます。
今回紹介した情報が、健康住宅を検討中の方の参考になれば幸いです。
私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。