集成材の5つのデメリット【後悔しがちなポイント】|メリットや特徴、無垢材とどちらがいいかも解説
「集成材のデメリットを知りたい」「集成材と無垢材のどちらを使うか悩む」とお考えの方へ。
集成材には「化学物質が使用されている」などのデメリットがあり、あらかじめ把握しておくことが大切です。
今回は、自然素材の家づくりにこだわる"フォレストブレス"が、集成材のメリット・デメリットや無垢材との違いを解説します。
・集成材には、「化学物質が使用されている」「人工的な印象になる可能性がある」などのデメリットがあります。
・一方で、集成材には「リーズナブルな価格で入手できる」といったメリットがあるので、メリット・デメリットを比較しながら検討しましょう。
・耐久性や健康に対する影響などの面から、集成材と無垢材の違いを解説します。
Contents
集成材の特徴とは
「集成材」とは、複数の木材を接着剤で張り合わせてつくる人工の木材です。
具体的には、板を乾燥させて節などを除去したあとに、繊維の方向を合わせて木材同士を貼りつけます。
集成材は建材や家具など幅広く利用されており、主な種類は以下のとおりです。
種類 | 内容 |
---|---|
構造用集成材 | 柱や梁などの建物の構造部に使用される |
造作用集成材 | 壁面やテーブルなどの内装・家具の素材に使用される |
集成材を利用してから後悔しないためにも、次の章でご紹介する「集成材のデメリット」をチェックしましょう。
集成材のデメリット【後悔しがちなポイント】
続いて、集成材の後悔しがちなポイントとしてデメリットをご紹介します。
それぞれの内容を押さえてから、家づくりに利用するか検討しましょう。
化学物質が使用されている
安全基準が設けられているものの、集成材の接着剤には化学物質(ホルムアルデヒド)が使用されているため、シックハウス症候群を引き起こす可能性があります。
「シックハウス症候群」とは、室内の汚染された空気によって起きる体調不良の総称です。
シックハウス症候群が発症すると、以下のような症状を感じるケースがあります。
- ・目や喉に痛みを感じる
- ・頭痛やめまいを感じる
- ・吐き気がする
- ・呼吸困難になる など
ただし、集成材のすべてが人体に影響を与えるとは限らず、なかには安全性の高い製品もあるので、利用する際は化学物質の発散量をチェックしましょう。
家でのアレルギー症状の原因と対策を、こちらの記事で解説しています。
>家でのアレルギー症状の原因と対策|ハウスダスト・シックハウス症候群の予防法も解説
接着剤が劣化して強度が落ちるリスクがある
集成材に使用されている接着剤は時間の経過によって、劣化するリスクがあるのがネックです。
集成材の接着剤が劣化すると、木材同士の密着度が低下して木材が剥がれたり、強度が落ちたりするので注意しましょう。
また、以下のような環境で使用する場合、集成材に含まれる接着剤が劣化しやすくなる可能性があります。
- ・紫外線が当たる
- ・風や車の往来による振動が常に加わる
- ・湿度が高い など
集成材を利用する際は、接着剤の性能や周辺環境を踏まえて検討することが大切です。
木材本来の肌触りを感じにくい
集成材は接着剤によって内部の空気層が少なくなっており、触れたときに「冷たさ」や「硬さ」を感じやすくなります。
たとえば、集成材を使ったフローリングは床下の冷気がダイレクトに伝わり、冬場は冷たさが気になるケースがあります。
加えて、集成材は木の香りにおいても無垢材と比較すると損なわれているのが一般的です。
無垢フローリングの特徴を、こちらの記事で解説しています。
>無垢フローリングとは?|種類やメリット・デメリット、後悔しないためのポイントも解説
人工的な印象になる可能性がある
集成材は以下のような理由から、人工的な印象になる可能性があるので注意しましょう。
- ・継ぎ目がある
- ・木材本来の肌触りを感じられない
- ・節がない
上記がデメリットになるかは、求めるデザインの方向性によって異なります。
たとえば、「シャープな内装デザインにしたい」とお考えの場合は、節がなくすっきり見える集成材の利用が向いています。
住宅デザインの方向性を明確にして、集成材の印象が合うか検討しましょう。
変形するケースがある
集成材は十分に乾燥させてから張り合わせるため、変形しないイメージがありますが、完全には変形を予防できません。
長期的に乾燥・湿気の影響を受けたり、大きな板材を利用したりする場合は、以下のような変形が起きるケースがあります。
- ・反り
- ・伸縮
- ・ねじれ
家づくりに集成材を利用する場合は、変形リスクも踏まえて取り入れましょう。
集成材のメリット【強み】
集成材のメリットは、以下のとおりです。
- ・節や割れた部分を除去して加工するため、品質や強度にばらつきが少ない
- ・需要に合わせて製造していることから、比較的リーズナブルな価格で入手できる
- ・加工する過程で木材を十分に乾燥させており、変形リスクが少ない
- ・木材を組み合わせてつくるので、厚みや長さのバリエーションが広い
メリットのみで集成材を採用すると後悔を感じる可能性があるので、「集成材のデメリット【後悔しがちなポイント】」でご紹介した内容と比較しましょう。
また、家づくりに利用する木材を考える場合には、次の章以降でご紹介する「無垢材」と比べてから決めることも大切です。
集成材と無垢材の違い
「無垢材」とは丸太から切り出して加工した一枚板のことで、接着剤など化学物質が使用されていません。
ここでは、価格や耐久性などの面から集成材と無垢材の違いを解説します。
それぞれの違いを踏まえて、どちらの種類にするか決めましょう。
無垢材の種類と特徴を、こちらの記事で解説しています。
>無垢材の種類と特徴を「広葉樹」と「針葉樹」に分けて紹介|メリット・デメリットや注意点も解説
価格
価格面で集成材と無垢材を比べると、集成材のほうがリーズナブルな傾向にあります。
集成材が価格を抑えられるのは複数の木材を組み合わせてつくるため、木材を無駄なく利用でき、加工の手間も少ないからです。
また、無垢材は1本の木から切り出せる板の数に限りがあり、加工の手間がかかるので価格は高めとなります。
ただし、無垢材は次の章でご紹介するように耐久性に優れているので、長い目で見るとリーズナブルです。
耐久性・寿命
集成材と無垢材を比較すると、長期的な耐久性においては無垢材のほうが優れている傾向にあります。
無垢材は神社仏閣に使用されており、法隆寺など1000年を超えても現存している建物があるほど耐久性に優れているのが特徴です。
一方で、集成材は歴史が浅く十分なデータがそろっていないものの、耐用年数は一般的に50〜100年とされています。
品質の安定性
品質の安定性は、無垢材よりも集成材のほうが高いとされています。
これは、集成材の製造過程で節や割れた部分などを除去しており、強度にばらつきが少ないためです。
無垢材は丸太から切り出した板なので個体差があり、品質を均一にするのが難しくなります。
ただし、木材の特性に精通した施工会社に依頼して正しく選定・施工してもらうことで、品質がばらつくデメリットの影響を最小限に抑えられます。
見た目・質感
集成材と無垢材の見た目・質感の違いは、以下のとおりです。
種類 | 内容 |
---|---|
集成材 | ・冷たさや硬さを感じやすい ・節がなくすっきりとしている ・継ぎ目がある |
無垢材 | ・柔らかさや温もりを感じられる ・節があってナチュラルな印象を受ける ・継ぎ目がなく自然な木目を持っている |
上記のような違いがあるので、家づくりを進める際は木材に求める条件を明確にし、集成材と無垢材のどちらが理想のマイホームに合うか判断しましょう。
健康に対する影響
接着剤を利用する集成材よりも、化学物質を含まない無垢材のほうが健康に対する影響は少ないといえます。
とくに化学物質に敏感なご家族がいる場合は、無垢材の利用がおすすめです。
なお、すべての集成材が健康に対して影響を与えるわけではありません。
2003年にシックハウス症候群の防止を目的として、ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積が制限されており、安全性に優れた集成材も登場しています。
集成材と無垢材ならどちらがいいか
集成材と無垢材ならどちらがいいかは、ご家族の考え方によって異なります。
たとえば、「木材の温もりを感じながら生活したい」「健康への影響を軽減したい」とお考えの場合には、無垢材がおすすめです。
また、「家づくりの費用を抑えたい」「変形リスクの少ない木材がいい」といった場合には、集成材が向いています。
ご家族で家づくりや住環境に希望する条件を話し合い、マッチする木材を選びましょう。
"フォレストブレス”では、自然素材を使った家づくりにこだわっています。
「無垢材を使った健康的な家を実現したい」とお考えの方は、"フォレストブレス”にご相談ください。
まとめ
「集成材」とは、複数の木材を接着剤で張り合わせてつくる人工の木材を指します。
集成材には「化学物質が使用されている」「木材本来の肌触りを感じにくい」などのデメリットがあるので、無垢材の利用も踏まえながら家づくりを進めましょう。
今回ご紹介した内容を、集成材の使用を検討する際の参考にしていただけると幸いです。
私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。