木材の乾燥が家づくりで重要とされる5つの理由|人工乾燥と天然乾燥の違いや乾燥機の種類も解説

木材の乾燥状態によって、住まいの強さ・快適さ・仕上がりが大きく変わります。
そこで今回は、茨城・石岡で自然素材の家づくりにこだわる"フォレストブレス"が、木材の乾燥が家づくりで重要とされる理由をご紹介します。
乾燥の方法や期間、乾燥機の種類なども分かりやすく解説しておりますので、ぜひ家づくりにお役立てください。
・しっかりと乾燥させた木材を取り入れることで、住まいの強度や耐久性、快適性などが高まります。
・木材の乾燥には「天然乾燥」と「人工乾燥」があり、それぞれ仕上がりや所要期間、コストなどに差が生じます。
・住宅会社の考え方によって取り入れている木材の乾燥方法は異なるため、ご自身と似た価値観を持つ住宅会社を見つけましょう。
Contents
木材の乾燥が家づくりで重要とされる5つの理由

家づくりにおいて、木材の乾燥は非常に重要です。
どのくらい乾燥できているかによって、建物の強度や耐久性、仕上がりの美しさなどに大きく差が付きます。
木材の乾燥による住宅への具体的な影響を確認しましょう。
①収縮しにくくなって木材の強度が安定する
木材を十分に乾燥させることで強度が安定します。
「乾燥が不十分な木材」や「乾燥させていない生材」の場合、時間の経過とともに内部の水分が抜けて収縮や反りが起こりやすく、強度や寸法の安定性が損なわれるケースが多いです。
対して適切な乾燥方法で水分を抜いた木材は一定の品質が保たれていて、建物全体の耐久性・耐震性にも良い影響を与えます。
▷関連コラム:地震に強い木造住宅の特徴は?|耐震等級・耐震基準・建てる際のポイントを解説
②割れ・反りなどの変形を抑える
乾燥させた木材は、割れや反りなどの変形を抑えることが可能です。
大きな割れや反りが起こると、壁や床に隙間ができて断熱性が低下したり、柱や梁の荷重バランスが崩れて耐久性に影響します。
木材乾燥の品質は、住まいの安全性や快適さに直結するため、しっかりと確認することが大切です。
③腐食を防いで耐久性を高める
木材に含まれる水分を十分に抜くことで、腐食を防ぐことにもつながります。
構造材が腐食すると、建物の耐久性や耐震性が大きく低下するため、注意しなければなりません。
また、湿気を多く含む木材はシロアリが好むため、しっかり乾燥させることで防蟻性の向上にもつながります。
④施工後のきしみや亀裂を防ぐ
構造材は壁などに隠れて見えなくなるため、品質の良し悪しが分かりにくいですが、乾燥が不足していると暮らしの中で不具合が生じることがあります。
例えば、床のきしみや壁の亀裂、扉が開け閉めしにくくなるといった事例です。
住まいを長持ちさせて快適に暮らすためには、土台となる構造材の乾燥にしっかりこだわることが大切です。
⑤加工性が高まる
木材を十分に乾燥させることで、切ったり削ったりする加工がしやすくなります。
施工後にも変形しにくく、長期間美しい状態を保てるのが乾燥した木材の魅力です。
構造材だけでなく、造作家具や建具などにも天然の木材を採用する場合は、乾燥方法にこだわることをおすすめします。
▷関連コラム:造作家具のメリット・デメリット|オーダーメイドの家具・収納で後悔しないためのポイントも
茨城・石岡の"フォレストブレス"では、自然素材を取り入れた住まいを手掛けております。
まずは資料請求を通じて、私たちの住まいづくりへのこだわりをご覧いただければ幸いです。
木材はどのくらい乾燥させるべきか

山で伐採したばかりの木は水分を大量に含んでおり、立木の含水率は150%もあります。
含水率とは、木材に含まれる水分の割合のことです。
一般的な構造材として使われる木材は、15~20%程度の含水率が望ましいとされています。
参考として、JAS規格(日本農林規格)においては、製材の含水率は「平均値が20%以下」という目安が示されています。
(4)乾燥材とは
JAS製材の含水率は20%以下、集成材は15%以下と規定されており、乾燥材の使用が前提
となります。ただし、現状では人工乾燥木材の出荷量は少なく、事前に製材工場等に確認
し、乾燥材の入手の目処を立てておく必要があります。
人工乾燥木材のことをKD材(Kiln Dry Wood の略)といい、D25(含水率25%以下)、
D20(含水率20%以下)、D15(含水率15%以下)のように表記されます。一般的にKD材
と言われているものはD25を指して取引される場合が多いようです。
木材の乾燥の重要性をお伝えしていますが、含水率を下げすぎても強度が弱まるため注意が必要です。
また、どのような方法で乾燥させるかによって、木材の強度や艶などに差が出ます。
▷関連コラム:木材の含水率で住宅の強度が変わる?基礎知識から関連性まで解説
木材乾燥の方法

木材乾燥の方法は大きく分けて次の2種類に分けられます。
- ・天然乾燥
- ・人工乾燥
それぞれの特徴を確認します。
天然乾燥
天然乾燥とは、木材を屋外や屋根付きの風通しの良い場所で自然乾燥させる方法です。
日光や風の力を使い、時間をかけて乾燥させる水分を抜くため、粘り強くて艶のある木材になります。
時間がかかる点が最大のデメリットですが、木材本来の質を高めたい場合には理想的な方法です。
天然乾燥の工程でヒビが入ることがありますが、構造的な強度に問題はありません。
人工乾燥
人工乾燥とは、専用の乾燥機を使って木材を乾燥させる方法です。
低温・中温・高温による乾燥があり、それぞれ仕上がりに差が生じます。
温度が高いほど早く乾燥するためコストを抑えられますが、外側だけが急速に乾いて木が収縮すると、中心部が割れてしまって強度低下につながるケースも少なくありません。
効率的な人工乾燥ですが、木材の質を保つためには温度・湿度・風量・時間を細かく調整することが大切です。
人工乾燥に使われる乾燥機の種類

人工乾燥には様々な乾燥機の種類があるため、それぞれの特徴を確認しましょう。
蒸気式乾燥機
蒸気式乾燥機とは、装置内の空気を蒸気加熱管によって加熱し、送風機によって熱風を送る方法です。
蒸気を利用するため均一な加熱を実現します。
様々な樹種に対応でき、現在最も普及している乾燥方法です。
除湿式乾燥機
除湿式乾燥機とは、装置内を除湿して含水率を徐々に下げて乾燥させる方法です。
蒸気式と比べて時間はかかりますが、低温でじっくり乾燥させられるため変色が少なく、油分を残した艶やかな木材に仕上がります。
熱を再利用するヒートポンプ式の機械が多いため、省エネルギーで効率よく木材を乾燥させることが可能です。
真空式乾燥機
真空式乾燥機とは、真空状態の装置に木材を入れ、加熱・減圧して急速に乾燥させる方法です。
大気圧より減圧しているため沸点が下がり、比較的低温でも十分に水分を抜くことができます。
電磁波を使って木材内部から水分を蒸発させる方法を組み合わせることで、より短時間で質の高い木材をつくり出せますが、装置代が高い点がデメリットです。
木材の乾燥にかかる期間

木材の乾燥にかかる期間は、乾燥方法・断面の大きさ・仕上がりの含水率によって大きく異なります。
人工乾燥の場合、一般的に使われる構造材は数日で完了し、長くても1ヵ月程度です。
対して、天然乾燥は半年から1年以上かかるケースも少なくありません。
住宅会社によって木材の乾燥方法は異なる

同じ木造住宅を扱う会社でも、木材の乾燥方法には大きな差があります。
多くの住宅会社では、施工スケジュールを立てやすく、コストを抑えられる人工乾燥を採用するケースが一般的です。
一方で、天然乾燥や低温式の人工乾燥を用い、木材の質にこだわっている会社もあります。
住まいへのこだわりや価値観を踏まえ、どのような木材を取り入れた家づくりが自分たちに合っているか、改めて考えてみましょう。
茨城・石岡の"フォレストブレス"では、天然乾燥または低中温式の人工乾燥で乾燥させた木を住宅に取り入れています。
急速な高温乾燥に比べて「天然乾燥・低中温乾燥」は手間も時間もかかりますが、安全で強い家を建てるには時間をかけてつくられた木材が必要不可欠と考えているからです。
木材までこだわり抜いた家づくりをしたい方は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
木材の含水率によって、構造材の強度や耐久性に差が付き、暮らしの快適性にも影響が出るケースもあります。
どのように木材を乾燥させているのかを理解し、ご自身に合う方法を検討してみましょう。
質の高い木材を取り入れた住まいを建てたい方は、木材の乾燥方法までしっかりとこだわっている住宅会社への相談がおすすめです。
私たち"フォレストブレス"は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かし、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
住宅のプロとして木材にこだわった住宅を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。

