「草木染め」とは化学染料を使わない魅力的な染色方法|染め方・魅力・染料となる素材を解説

「草木染め」とは

草木染めは、植物や果物といった自然の恵みを染料として布や糸を染め上げる、日本に古くから受け継がれてきた染色方法です。

化学染料が一般的になってきた現代において、草木染めのサステナブルな染色方法に注目が集まっています。

そこで今回は、草木染めの方法や魅力をご紹介します。

草木染めの染料に使われる素材の特徴や色味なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

このコラムのポイント

・草木染めは植物や果物の葉・幹・根などから染料を抽出し、天然繊維の糸や布を染色する方法です。

・自然素材ならではの優しい色味や肌への刺激が少ない点が魅力で、美しい経年変化も楽しむことができます。

・草木染めは衣服からインテリアまで幅広く取り入れられているため、自然素材の家づくりを検討している方にもおすすめです。

草木染めとは

草木染めとは

草木染めとは植物や果物から色素を取り出し、布や糸を染める日本の伝統的な染色方法です。

植物の次のような箇所から染料を抽出します。

  • ・花
  • ・葉
  • ・枝
  • ・樹皮
  • ・根
  • ・皮や殻
  • ・実

 

煮出して染料を取り出すもの、すり潰したり発酵させたりするものなど、抽出方法は様々です。

縄文時代にはすでに草木染めの手法はあったようですが、時代の進みとともに技術が発展し続けています。

 

草木染めの方法

草木染めの方法

一般的な草木染めの方法をご紹介します。

工程 内容
①染める布や糸を用意する 天然繊維などの草木染めに適したものを用意する
②下染めする 綿などの植物由来の繊維は、草木染めの色素と結びつきにくい性質があるため、豆汁や渋茶などで下染めする
③絞り柄をつくる 布に模様をつけたい場合は、糸で縛ったり折りたたんだりする
④媒染液をつくる 染めた繊維に色を定着させる「色止め」のため、アルミなどの金属を使って媒染剤をつくる
⑤染料を抽出する お好みの植物・果物を煮出して濾す工程を3回ほど繰り返し、染料を抽出する
⑥染色 温めた染料の中に布などを入れて常に撹拌し、水洗いして媒染液につける工程を繰り返す
⑦水洗い・脱水・乾燥 洗濯機で水洗い・脱水し、風通しの良い場所で陰干しする
(色が薄いと感じたら⑥染色の工程を再びやる)

 

草木染めは色が落ちやすいため、染色だけでなく媒染剤を使った「色止め」の工程が欠かせません。

媒染剤は植物の色素と組み合わさると化学反応を起こし、色を定着させて落ちにくくする効果があります。

 

草木染めの魅力

草木染めの魅力

草木染めの魅力をご紹介します。

 

自然素材ならではの優しい色合い

草木染めは、植物や果物などの自然素材を染料にしているため、優しい色合いに染め上がります。

化学染料のようにはっきりした発色ではなく、やわらかみのある色味が特徴です。

長く使っても飽きがきにくい、暮らしに自然となじむ草木染めの色合いは多くの方から愛されています。

 

世界に1つの仕上がりになる

草木染めは手作業で染めていくため、色味や柄が1つずつ異なります。

媒染剤の種類、抽出や染色の時間などによって、1つの染料を使っても同じ仕上がりにならない点が草木染めの奥深さです。

また、絞り柄によっても個性が出せるため、世界に1つだけのアイテムを暮らしに取り入れたい方におすすめします。

 

経年変化を楽しめる

天然染料を使った草木染めは、時間の経過や使い方によって色合いが徐々に変化していくのも魅力のひとつです。

日光や湿気、摩擦など様々な要因によって変色していき、使うほどに深みが増していきます。

経年変化をゆったりと楽しみたいなら、必要以上に洗濯せずに中性洗剤を使って優しく洗い、日陰に干すなどの方法を取り入れることがポイントです。

 

皮膚への刺激が少ない

草木染めは植物や果物などを染料としているため、化学染料と比べて皮膚への刺激が少ない点がメリットです。

化学染料が使われた布は、摩擦・汗・皮脂などによって繊維中にある微量の化学物質が溶けだすことがあり、肌へ刺激を与えるケースもあります。

一方で天然染料を使った草木染めは、敏感肌の方や肌が弱い赤ちゃんでも安心して使いやすく、下着や靴下などの直接肌に触れるものにも取り入れやすいです。

 

環境に優しい

草木染めは、次のような理由から環境に優しい染色方法と言われています。

  • ・天然由来の染料を取り入れている
  • ・染色工程において漂白剤や強い化学薬品などを使用しない
  • ・玉ねぎの皮やコーヒーかすなどを再利用できる
  • ・比較的低温で少量の水を使った手作業のためエネルギー消費が少ない

 

化学物質による汚染が問題視されている現代において、サステナブルな草木染めは環境への負荷を抑えられる染色方法として注目されています。

 

茨城県・石岡の"フォレストブレス”では、自然素材にこだわった家づくりをしています。

衣服などの身に着けるものだけでなく、住まいにも健康や環境に配慮した工夫を取り入れたい方は、お気軽にお問い合わせください。

資料請求はこちらから

 

草木染めの染料として使われる素材の例

草木染めの天然染料「紫根」

草木染めに取り入れられる植物や果物の一例をご紹介します。

 

【藍(あい)】深い青

藍は日本の代表的な染料植物で、深みのある青色が特徴です。

抗菌や虫除けの効果があるため、昔は普段着だけでなく作業着などにも取り入れられていました。

 

【茜(あかね)】赤や朱系

茜の根を抽出した染料で、赤や朱色などの色味に仕上がります。

化学染料のような発色の良い赤ではなく、やわらかな色味のためリラックスでき、血行促進や保温効果もあると言われています。

 

【紫根(しこん)】紫

ムラサキ草の根を煮出してつくる染料で上品な紫色が特徴です。

昔は身分の高い人のみが身に付けられる高貴な染料として扱われていました。

 

【桜】淡いピンクやベージュ

桜の樹脂や枝から抽出する染料で、淡いピンクやベージュ、灰桜色に染め上がります。

控えめな色合いが特徴的ですが、経年変化によって鮮やかなサーモンピンクに変色するケースもあります。

 

【よもぎ】黄緑〜黄色

身近な植物であるよもぎの葉からも草木染めの染料を抽出できます。

春先は優しい黄緑や黄色、秋にはベージュがかった色に染まるなど、季節によって異なる風合いが楽しめるのが魅力です。

 

【玉ねぎ】黄〜オレンジ

玉ねぎの皮も草木染めの染料として再利用でき、薄い黄色やオレンジの色味に染まります。

手に入りやすい材料のため、ご家庭で草木染めにチャレンジするときにもおすすめの染料です。

 

【栗】茶~グレーブラウン

栗は樹皮・幹・葉・いが・果肉など、全体が染料の材料として使えます。

薄めやグレー味を帯びた、やわらかな風合いの茶色に染まるのが特徴です。

 

【コーヒー】薄茶〜こげ茶

コーヒー豆の残りを利用して染料にする方法もあります。

抽出した回数や時間によって茶色の濃さが変わりやすい点が特徴です。

 

草木染めは何を染めるのに適しているのか

草木染めのストール

草木染めは、布や糸の染色に使われるケースがほとんどですが、中でも綿・麻・ウール・シルクなどの天然繊維がおすすめです。

幅広いアイテムに取り入れられる草木染めですが、採用されることが多いものの一例をご紹介します。

  • ・アパレルアイテム:シャツ・ストール・靴下・肌着
  • ・インテリアアイテム:カーテン・クッションカバー
  • ・小物:ポーチ・がま口・きんちゃく袋

 

天然繊維の布や糸であれば、用途を問わず幅広いアイテムに取り入れられるのが草木染めの魅力です。

 

草木染めに向いていないもの

草木染めに不向きな化学繊維

草木染めに向いていないものをご紹介します。

 

化学繊維

ポリエステルやナイロンなどの合成の化学繊維は草木染めに不向きの素材です。

なぜなら、草木染めの染料はセルロースやたんぱく質などの繊維に含まれる天然成分と結びついて着色します。

化学繊維は石油由来の合成素材のため植物の色素と結合しにくく、染まっても色が薄くてすぐに色落ちするケースも少なくありません。

ちなみに、テンセルやレーヨンは化学繊維ですが、木材からつくられているため草木染めが可能な素材です。

 

色落ちを避けたいもの

草木染めは化学染色と比べて色落ちしやすい手法です。

そのため、作業着やスポーツウェアなどの汗をかきやすくて頻繁に洗濯するものへの採用は向いていません。

色落ちも経年変化として楽しめるようなアイテムに草木染めを採用することをおすすめします。

 

家づくりに取り入れられる「草木染め」とは

草木染めのカーテン

住宅にも草木染めのアイテムを取り入れることができます。

具体的にはカーテンやクッションカバーなどの布製品のインテリアを取り入れる方法です。

木材などの自然素材を多く取り入れた住まいに、やわらかな色合いの草木染めのインテリアをプラスすることで、統一感のある心地よい空間を演出できます。

 

実は、草木染めは木を染めることもできます。

草木染

自然素材の染料を用いて木材を色付けし、住まいに取り入れたい方にもおすすめです。

▷フォレストブレスの自然素材について

 

フォレストブレスの家づくり

茨城県・石岡の"フォレストブレス”では、家づくりに以下のものを使わないことをお約束しております。

  • ・化学物質を含む接着剤を使用した合板、集成材
  • ・防蟻防腐剤注入土台・グラスウール
  • ・ビニールクロス・廃棄時有害なもの

マイホームに住むご家族はもちろんのこと、建築する職人さんそして自然環境に優しい住まいをご提案いたします。

喘息やアレルギーなどにお悩みの方もぜひお気軽にご相談ください。

まずは資料請求を通じて、私たちの住まいづくりへのこだわりをご覧いただければ幸いです。

資料請求はこちらから

▶自然素材を使った住まいの施工事例はこちら

▶お客さまの声はこちら

 

まとめ

草木染めは植物や果物などの天然染料を使っているため、身体や環境に優しくてやわらかな色味が特徴です。

染料や抽出時間、染め方などによって自分だけのオリジナルのアイテムをつくることができます。

草木染めは住まいのインテリアとしても取り入れやすいため、自然素材を使った家づくりを検討している方は、ぜひ検討してみてください。

 

私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしを実現できる住まいをご提案しております。

木材から断熱材まで自然素材にこだわり、化学物質を使わない家づくりを手掛けていますので、お気軽にご相談ください。

▶フォレストブレスへのご相談はこちら

著者情報

渡辺 勉

渡辺 勉渡辺⽊材株式会社(フォレストブレス)代表取締役

⽊材会社として⻑年⽊に携わってきた経験を⽣かし、⾃然素材の家づくりを⾏っています。
アレルギーやアトピー、喘息の原因となる化学物質を含む接着剤を使用した合板・集成材、防蟻防腐剤注入土台、グラスウール、ビニールクロス、そして廃棄時有害なものは使いません。
⽊の特性を⾒極め、適材適所に活⽤できるノウハウを持ったわたしたちと本物の⽊の家をつくりませんか。

保有資格
  • 二級建築士

  • 茨城県木造住宅耐震診断士

  • 茨城県住宅耐震・リフォームアドバイザー

  • 福祉住環境コーディネーター

  • 一級エクステリアプランナー

その他リンク

CONTACT

お問い合わせ

施工エリア

茨城県

石岡市、 牛久市、 小美玉市、 阿見町、 茨城町、 大洗町、 笠間市、 かすみがうら市、 下妻市、 桜川市、 常総市、 境町、 城里町、 土浦市、 つくば市、 筑西市、 つくばみらい市、 行方市、 坂東市、 鉾田市、 水戸市、 美浦村、 結城市、 八千代町、 那珂市、 ひたちなか市

栃木県

真岡市、 小山市、 益子町、 茂木町

※その他の地域はお問い合わせください

自然素材の家、国産材の建築、フォレストブレス 茨城県 石岡市の工務店
お問い合わせ
資料請求
自然素材の家、国産材の建築、フォレストブレス 茨城県 石岡市の工務店
電話をかける
採用情報
MENU
PAGE TOP